Site Meter
【産業動向】エヌビディア「GTC Taipei」、フアンCEO講演概要 「役立つAI・エージェント型AI」時代が到来
2026-06-02 11:55:43
AI GPU最大手、米エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアン(黄仁勳= Jen-Hsun)最高経営責任者(CEO)は、2026年6月1日に台北で開いたカンファレンス「GTC Taipei 2026」の基調講演で、「役立つAI(Useful AI)」「エージェント型AI(Agentic AI)」の時代が本格的に到来したと宣言するとともに、「AIによって人々が失業するという見方にはまったく根拠がない」と強調した。


台湾の大手紙『経済日報』が同日付で報じた。それによると、講演でフアン氏は、「2年前から、AIが、生成AIから次の段階へ進化すると語ってきた。その次なる波こそがエージェント型AIだ」と説明。「そして今、エージェント型AIは既に現実のものとなり、『役立つAI』が本格的に社会へ浸透し始めている」と述べた。また、「『トークン(Token)』は収益を生み出す新たな利益単位になる。AIは将来的に『GDPを生み出す存在』になる」とした。

さらに、「産業構造の観点から見ると、コンピューティングのあり方そのものが大きく変化している」とし、「AIが高い収益性を持つことから、各AI企業はより多くのトークン生成とAIファクトリー建設を進めており、それが台湾におけるコンピューティングパワー(計算能力)需要の急増や、関連企業の業績拡大につながっている」と分析した。

フアン氏は、「現時点で最大のボトルネックはコンピューティングパワーにある」とした上で、同社の次世代「Vera Rubin」アーキテクチャAIチップの量産開始が、「世界のAIファクトリー構築の次なる段階を強力にサポートする」と強調した。

Vera Rubinについては、26年下半期から大規模な量産段階に移行する予定で、サプライチェーンの規模も先代アーキテクチャ「Grace Blackwell」の2倍に達すると指摘。従来はGrace Blackwellラック1基あたりの組立に約2時間を要していたが、現在では5分程度にまで短縮しており、生産能力のみならず、製造効率も大幅に向上しているとした。また、Grace Blackwell及びVera Rubinを支えるため、関連サプライチェーンでは数百万平方フィート規模の増産が進められているとし、台湾のAIサプライチェーンが世界のAIファクトリー需要を全面的に支えていると強調した。

エージェント型AIの普及によって、ソフトウェア企業の衰退や失業増加を懸念する声についてフアン氏は、「現実はその逆だ」と指摘。「今後は無数のAIエージェントが誕生し、それらを支えるソフトウェアツールへの需要はこれまで以上に拡大する」と述べた。また、「その結果、ソフトウェアエンジニアの需要も増加し、従来を上回る生産性が生み出される」との見解を示した。

最後にフアン氏は、「これからソフトウェア企業にとっては黄金時代が訪れる」と強調。その前提として、「今後のソフトウェアはAIエージェントが利用可能な形で設計・提供される必要があり、これが業界における大きなブレークスルーになる」と語った。

【関連情報】

【半導体】ファーウェイ提唱「タウの法則」、台湾とTSMCは10年先行 エヌビディアCEO見解
【産業動向】ファーウェイ、「ムーアの法則」に代わる「タウの法則」発表 微細化から時間の圧縮へ移行
【産業動向】エヌビディアとAMD、対中国で違い鮮明 台湾大手紙が指摘
【産業動向】「COUPE」と「CoWoS」、次世代半導体のキーワードに TSMCが技術フォーラム
【産業動向】台湾のAI人材確保、待ったなし トップ級は米に集中 中国も急台頭

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。